【第42回】デジカメが見つかったけれど…の巻

長らく行方不明だったわが家のデジタルカメラが見つかりました。

娘が貴重品を隠すのは、しょっちゅうなので、今回も当然娘の仕業だと決めつけたのです。

ところが、

使わなくなった私の通勤用バッグに入れっ放しだったのです。
「そら、いわないこっちゃない」
ペラペラと妻の文句を聞き流した後、画像の確認を。

娘の七五三直後に失くしたもので、再び見る娘の晴れ姿に心はウキウキ。

どれどれ、可愛いいねぇ、綺麗だねぇとひとしきり画像に魅入っていると、
隣でのぞき込んでいた妻の口元が文句ありげにモゴモゴしているではありませんか。

(モゴモゴせずにはっきり喋りなさい!聞きとりにくい)と私は怒鳴ってやりました。

心の中で…。

よく聞くと「これだけパチパチ撮って私の写真が一枚も写ってないっていうのはどういうこと」
と言っているのです。

そうです。

娘の晴れ姿だけを見つめるあまり、精一杯のオシャレでポーズをとっている妻に全く気づかず、
というか眼中になくというか、つまり私の失態です。

カメラが見つかった喜びもつかの間、
妻の再びの説教が冬の夜更けの限りなく続くのでした。

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