【第51回】あの春の「壊れかけのTV」の思い出…の巻

先日、娘が私の後頭部を触りながら、「ここ白いよ。どうしたの?」と聞いてきました。

坊主頭の私ですが、後頭部に直径1cm程、全く毛が生えない部分があるのです。

そう忘れもしない4歳の春の日曜日のこと。

当時わが家には、職人技を要するほど微調整が必要な、壊れかけのダイヤル式テレビがありました。

徳永英明風に言えば「壊れかけのテレビ」ですね。

毎週楽しみにしていたアニメ番組を見ていた時、祖母の足音でダイアルがずれ、画面が砂嵐になってしまいました。

いつもはすぐ直るのに、その時だけは、いくら微調整しても直らなかったのです。

私が大泣きしてふんぞり返った瞬間、うしろにあった茶箪笥の角に、
後頭部をしたたかぶつけてしまいました。

頭から血を流しながら泣いている私を見て、家族は仰天。

幸い大した傷もなく、消毒して、みかんのネットのような物をかぶって病院から帰りましたが、
以来後頭部にハゲができてしまったのです。

そんなわけで私の後頭部には小さなハゲがあります。

地デジ化となった今では経験できない貴重な思い出が、
心にも後頭部にも刻まれたのです。

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